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冬の水辺の暖かい過ごし方

寒い冬にパドリングをするうえで暖かく過ごせるようにするためのギアや断熱材、さらに暖をとる方法をご紹介します。
どのようにして私たちの体温が奪われるかを知ることで、低体温症を予防することができます。
私たちの体温は冷たい風や冷たいものと直接接触することで奪われていきます。
暑い日には嬉しい風が、冬の寒い日には体温を奪う存在に変わります。
楽しく快適なパドリングをするためにもドライスーツ、ベースレイヤーを着用し、冷たい風から身を守りましょう。
また、人間は体内で作られた熱を外に逃がすことで体温調整を行っています。ドライスーツなどを着用することでそれがバリアとなり、熱が逃げるのを防ぐことができます。ベースレイヤーとミッドレイヤーなどを重ねるマルチレイヤー、さらにPFDやスプレースカートを着用すれば、さらに熱を封じ込めることができます。
暖かい日には汗をかいても体温が下がるのみですが、それが寒い日の場合、汗をかいて湿ったままの状態でいるのは危険です。
発汗や蒸発による冷えを抑え、防水性の高いギアを着用することで、湿気の蒸発熱を抑えるようにしましょう。
陸上にいる間は日光を浴びたり、焚火などで身体を温めてください。
秋・冬におすすめの製品
海水温 23度前後
だんだんと気温が低くなる秋には衣服内に水が入りにくくする必要があります。
保温性を保つためにも保温性・速乾性に優れたパドリングジャケットも必須です。
①ゼニス
透湿防水 2.5層生地で作られたセミドライジャケットです。
首にはウルトラストレッチ「Ultra Stretch Glide Skin」が施されており、脱着がしやすいのが特徴です。
快適さと自由な動きを求められるフリースタイルから競技まで幅広く対応できるジャケットです。袖口はベルクロとラテックスの2重構造、ウエストはベルクロで調整が可能です。
②ゼニスパンツ
シンプルで快適な透湿防水2.5層生地のパドリングパンツです。
ウエスト部分にはベルクロが2つ、足首部分にもネオプレンガスケットと面ファスナーがついていますのでサイズ調整が容易にできます。
また、縫製を最小限に抑え、摩耗部分には防護カバーを使用、耐久性が向上しています。
海水温20度以下
冷たい水に体温が奪われないように、なかは常に乾いている必要があります。
真冬のパドルスポーツでは完全防水のドライスーツが必須アイテムです。
①アウター:ベーススーツ
Palmのエントリーモデル、フルドライスーツです。
マンゴーカラーは日本オリジナルです。透湿防水生地を使用して軽量化を実現。
メインファスナーにはYKKアクアシールファスナーを使用、首・手首・足首のシールにはラテックスが使われています。小用ファスナーがないため、再乗艇の際にひっかかりが少ないこともメリットです。
②インナー:ツァンポ・ロングスリーブ
非常に柔らかくストレッチ性に優れた素材PONTETORTOで作られた最上級の暖かさのサーマルシャツ。
ハーフジッパー仕様、胸ポケット、親指ループが付いています。
また、生地は塩化銀を用いた抗菌防臭加工が施されているため、汗をかいてもいやな匂いを防いでくれます。
ドライスーツやパドリングジャケットの下はもちろん、水辺でのカジュアルウェアとしてもお使いいただけます。
③その他:タロンミット
ミット内部で指先が開く設計のパロンミットはパドリング時のグリップ力を保持し、また保湿性にも優れています。
裏地には厚さ3 mmの「Quick Dry Thermal」ネオプレンが、カフシールには「Glide Skin」を使用しており、ポリウレタンプリントによるグリップ力が備わっています。
低体温症候群に注意!
長時間、濡れたままでいると体温が下がってしまい低体温症候群に陥る危険性があります。
症状が進むにつれて、意識障害、言語障害が起こり、やがて体を動かすことができなくなります。
この症状は夏場でも起こるので、注意が必要です。
水温と体温流出時間
水温 | 意識不明に至る時間 | 予想生存時間 |
---|---|---|
0℃ | 15分以内 | 15~45分 |
0~5℃ | 15~30分 | 30~90分 |
5~10℃ | 30~30分 | 1~3時間 |
10~15℃ | 1~2時間 | 1~6時間 |
15~20℃ | 2~7時間 | 2~40時間 |
20~25℃ | 2~12時間 | 3時間~不明 |
25℃以上 | 不明 | 不明 |
U.S.C.G:米国コースガイド
体温と低体温症の症状
体温 | 症状 |
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36.5~35℃ |
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35~34℃ |
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32~30℃ |
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30℃以下 |
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金田正樹:寒冷による障害.臨床スポーツ医学13(6):650-654,1996.
冬のパドリングスポーツにおいてギア選びは命に関わります。
低体温症の症状は急速に悪化していても自分では気づきにくいと言われています。気が付いたら水の上で動けなくなっていたという事故を防ぐためにも、水温に合わせたギアを選び快適なパドリングを楽しみましょう。