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風と共に去りぬ (風の中でSUP訓練)

風の中でSUP訓練
パドルボーディングと言うと、ガラスのように澄んだ水、広大な空、そして静けさなどの情景を思い浮かべますが、風の強い日はどうなのでしょうか?
パドリングが上達し、さらに上を目指すなら、風の強い日でもパドリングできるようになるのが一番ではないでしょうか。
この記事を投稿するときに気付いてしまったのだけど、風が強い時はカメラに手を出しづらいので写真をあまり撮っていなかった…。(Instagramの可愛いパドルボーディングの写真に頼っている訳だ。)
みんなが風のある日に安全にチャレンジできるためのコツを書いてみました。
計画
常に誰かと一緒に水上に出てください。さらにどこに行くのか、どのぐらいいるのかなども誰かに伝えてください。水面で風に吹かれながら素敵な時間を過ごすための下準備です。
練習場所
風がいつも吹くところが理想的です。ここアイルランドのケンマーレ(Kenmare)には、午後にはいつも偏西風が吹く湾があります。緊急時にすぐに陸に上がれることを確認しておいてください。悪い方向に進んだときに陸地からあまり離れていないほうがいいので入江が理想的ですが、横風が吹くなら浜辺でもいいと思います。もちろん、現地の潮の満ち引きやその他の環境条件を確認してください。
気象情報
風について情報を得る手段として色んな天気アプリがあります。
【Wndy】や【Windfinder】や【DarkSky】などが私のお気に入りです。天気は急に変わるので、天気アプリは目的地の天気の記録が見れたり、予想もしてくれるのでぜひ使ってみてください。
ギア
ボード(とリーシュ)、パドル、【浮力補助具】以外の必需品として、ドライバッグに電話やVHF無線機などの連絡手段を入れていきましょう。スタート地点に戻れないことを考え、靴があると役に立ちます。また天候の変化に備えて、すぐに羽織れる【ジャケット】があると便利です。 水や軽食もリストに加えて損はないでしょう。
もうボードに乗っているし、良い風も吹いている。まず、何を知っておくべき?
徐々に始めてみよう
何事もそうですが、じっくりとスキルを身につけていくのが一番です。緩い風で始めてから、徐々に向かい風で鍛えてから、追い風に移行します。
秘訣:向かい風を越えたら、帰りは必ず楽になる。
Photo Credit: 【Skeye Productions】
効率の良いフォワードストローク
風のない状況で効率的なフォワードストロークの練習しましょう。どんなに上手くても改善する余地は常にあるものですし、向かい風を攻略する鍵でもあります。さらに、強風ではパドリングを止めると後退してしまうので、持久力の強化にもなります。遅くても効率よくリズムを維持することが重要です。
パドリングストロークに共通する改善点とは:
- 1.足回りの水面にブレードが触れていないこと。
- 2.蜂蜜の沼にパドルが突き刺さっているようなイメージで、身体を引き付けて後ろに送り出すようにすること。
- 3.目線は進行方向を見て、肩甲骨をしっかりと落ち着けること。
誰か自分より優れたパドラー友達や【インストラクター】と一緒に漕ぐと効率的です。間違いがあったら、指摘してもらいましょう。
風の力
風の力は無慈悲で容赦ないところもありますが、最高のトレーニングの相棒にもなります。
1.ストロークを強化します。
2.真っ直ぐに進めるようになります。
3.バランスが大きく改善されます。
風に向かって漕ぐことは抵抗トレーニングのようなもので、より強く筋肉を働かせないと前進できません。また、ボードのレールが風に捕まえられないよう、ボードを常に真っ直ぐに保つように矯正されます。不規則に吹き付ける風に煽られて、バランス感覚とインナーマッスルが強化されます(練習はうそをつかない)。
皆さんが費やした努力は、セッションの後半や風下で効果を発揮するでしょう。
風の煽りや波の揺れに慣れてくると、サーフィン中にでも効率良く休めるようになるので、もっと楽しくなるでしょう。
向かい風が苦手な方は、友達とシャトルを合わせて一緒に風に乗ってしまいましょう。
スタンドアップパドルとニーパドル
ここでは長所と短所で分けてみましたが、パドラーの好みや条件などによって違ってきます。
スタンドアップパドリング
長所:ストロークが力強い。ボード上で動けるので調整がしやすい。
短所:身体が直立しているため風により抵抗が生じる。
ニーパドリング
長所:安定性が高い。
短所:比較的ストロークが弱くなる。長時間の場合には膝に負担がかかる。
個人的には全く前に進まなくなるまでスタンディングパドリングにこだわっていますが、快適かどうかは皆さん次第です。
地形を読み取る
しっかり読んだ方は気付いたかもしれませんが、陸地に近いところでパドリングするもう一つの理由とは、海岸線や堤防を利用できるからです。背の高い木々や丘陵を向かい風からのシェルターとして利用したり、休憩を取ったりできます。
楽しみましょう
結局のところ、水上にいる時間が長くなればそれだけ風を避けてパドリングできません。しかし、脅威と取らずに楽しく挑戦してみたら、皆さんのパドリング技術は確実に上達します。
お友達と一緒に楽しみましょう。それが一番大切なことですから。
カバー写真クレジット:【Robert Ziegenfuss】
マーティン・カービー(Martyn Kirby)